金盞花とクローバー 04.5 〜sidジェームズ〜
ホグワーツ特急は前と何処も変わらず、思わず錯覚しそうになる。
ひょっこりといつものメンバーが出てきて……そして悪戯を考える。
はしゃぐシリウス。
呆れたようにしつつも、話に乗ってくるリーマス。
困ったようにオロオロしているピーター。
そして……怒って飛び込んでくる……君の姿。
誰も此処には居ない。
居るわけが無い。
此処は……ここには僕だけだ。
++++++
運が良いのか、悪いのか、コンパートメントを1人で占領し、
つらつらと色んな事を考えた。
考えなくて良い事まで浮かんできて、少し呆れる。
でも!
僕は基本的にポジティブだ。
今からホグワーツで悪戯する事や、どうやって愛しい君に近づくか、
考えるだけで楽しくなってくる。
まず、今回こそは嫌われないようにアタックして、大嫌いなんて言葉
言われないように頑張ろう。
繊細な僕としては、かなり傷つく。
あと、今列車内で噂の悪戯仕掛け人。
どうやって接触しようか、きっと僕の話に乗ってくれるに違いない!
そうでなければ悪戯仕掛け人とは言えないさ!
しかし、ハリーは何処に乗っているのだろうか、リリーは確認したけれど、
未だにハリーを確認する事は出来ていなかった。
そうそう、リリーの生まれ変わりの子の名前がわかったんだけど。
って言うらしい。
なんて素敵なんだ!
おっと、ついつい考えが脱線しちゃったな。
でも……ハリーはどうしたなんだろうか?
「まさか……さっきの空飛ぶ車に乗ってるなんて事は……」
僕の子供だ。
有りそうで怖い。
否!流石僕の子!
リリーは完全に怒るだろうけど、僕は大賛成さ!
ただ、危険なめにあって無い良いけど。
親心は複雑だ。
+++++
早めにローブに着替え、準備は万端だ。
ゆっくりと停車していく列車の外を見て、メガネを押し上げる。
しかし、今の自分の容姿、驚くほど生まれ変わる前の自分そのもので、
物心ついたときにはかなり驚いた。
まあ、なんとなく馴染んでいて、自分的にはOKだ。
完全に停車した列車から降り、生徒の波に乗って歩く。
と、眼前に、素敵な姿が現れた。
しかも押し流されているようだ。
ここは王子の出番ではなかろうか!
波に逆らってそちらの方へグイグイと歩みを進めていく。
そんなことをしている間に、人は疎らになり、ハグリットの案内で険しい道を歩き出す。
僕は何時でも出動できるようにの後ろに立って歩く。
ここでは何人かいつも転んでひどい目にあっている。
意外とおっちょこちょいなリリーだ。
今のリリーはどうだかわからないけれど、此処は要注意だ。
そんな事を考えていたら案の定、の足がズルリと滑って、前のめりになる。
「きゃっ!」
僕はとっさに手を伸ばした。
「あっありがとう」
顔を見上げる前にお礼を言われ、その顔がゆっくりと僕を見る。
何だか無性に抱きしめたくなった。
リリーだ。
リリーだ!
心が全部で大合唱。
あらためて自分の心の正直さに驚かされる。
「いや、お礼を言われるような事じゃないさ。大丈夫だった?」
これが君との初コンタクト。
無理やり手を引いて歩き出したけれど、嫌がらない。
ホグワーツでのリリーは、前だったら手をはたかれるか、そっとぽを向かれている。
そんな状況でこの状況!
リリー……いやの可愛さは世界一に違いない!
あとがき
……ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
隠しな上、こんなお話で……しかもジェームズさんちょっとへ○たいちっくですよね(笑)
申し訳ない。
四話裏話的に書いたので、少しギャグっぽく書いてみました。
ごめんなさいギャグにもなりきれず、中途半端な代物に(汗)
では、不定期更新ではありますが、次の話も読んでみようと思っていただけたら幸いです。