金盞花クローバー 04. 〜sidジェームズ〜







ホグワーツ特急は前と何処も変わらず、思わず錯覚しそうになる。

ひょっこりといつものメンバーが出てきて……そして悪戯を考える。

はしゃぐシリウス。

呆れたようにしつつも、話に乗ってくるリーマス。

困ったようにオロオロしているピーター。

そして……怒って飛び込んでくる……君の姿。


誰も此処には居ない。

居るわけが無い。

此処は……ここには僕だけだ。




++++++



運が良いのか、悪いのか、コンパートメントを1人で占領し、

つらつらと色んな事を考えた。

考えなくて良い事まで浮かんできて、少し呆れる。

でも!

僕は基本的にポジティブだ。

今からホグワーツで悪戯する事や、どうやって愛しい君に近づくか、

考えるだけで楽しくなってくる。

まず、今回こそは嫌われないようにアタックして、大嫌いなんて言葉

言われないように頑張ろう。

繊細な僕としては、かなり傷つく。


あと、今列車内で噂の悪戯仕掛け人。

どうやって接触しようか、きっと僕の話に乗ってくれるに違いない!

そうでなければ悪戯仕掛け人とは言えないさ!


しかし、ハリーは何処に乗っているのだろうか、リリーは確認したけれど、

未だにハリーを確認する事は出来ていなかった。

そうそう、リリーの生まれ変わりの子の名前がわかったんだけど。

って言うらしい。

なんて素敵なんだ!

おっと、ついつい考えが脱線しちゃったな。

でも……ハリーはどうしたなんだろうか?


「まさか……さっきの空飛ぶ車に乗ってるなんて事は……」


僕の子供だ。

有りそうで怖い。

否!流石僕の子!

リリーは完全に怒るだろうけど、僕は大賛成さ!

ただ、危険なめにあって無い良いけど。

親心は複雑だ。




+++++



早めにローブに着替え、準備は万端だ。

ゆっくりと停車していく列車の外を見て、メガネを押し上げる。

しかし、今の自分の容姿、驚くほど生まれ変わる前の自分そのもので、

物心ついたときにはかなり驚いた。

まあ、なんとなく馴染んでいて、自分的にはOKだ。


完全に停車した列車から降り、生徒の波に乗って歩く。


と、眼前に、素敵な姿が現れた。



しかも押し流されているようだ。

ここは王子の出番ではなかろうか!

波に逆らってそちらの方へグイグイと歩みを進めていく。


そんなことをしている間に、人は疎らになり、ハグリットの案内で険しい道を歩き出す。

僕は何時でも出動できるようにの後ろに立って歩く。

ここでは何人かいつも転んでひどい目にあっている。

意外とおっちょこちょいなリリーだ。

今のリリーはどうだかわからないけれど、此処は要注意だ。

そんな事を考えていたら案の定、の足がズルリと滑って、前のめりになる。

「きゃっ!」

僕はとっさに手を伸ばした。



「あっありがとう」


顔を見上げる前にお礼を言われ、その顔がゆっくりと僕を見る。


何だか無性に抱きしめたくなった。

リリーだ。

リリーだ!

心が全部で大合唱。

あらためて自分の心の正直さに驚かされる。


「いや、お礼を言われるような事じゃないさ。大丈夫だった?」


これが君との初コンタクト。

無理やり手を引いて歩き出したけれど、嫌がらない。

ホグワーツでのリリーは、前だったら手をはたかれるか、そっとぽを向かれている。

そんな状況でこの状況!


リリー……いやの可愛さは世界一に違いない!




あとがき

……ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

隠しな上、こんなお話で……しかもジェームズさんちょっとへ○たいちっくですよね(笑)

申し訳ない。

四話裏話的に書いたので、少しギャグっぽく書いてみました。

ごめんなさいギャグにもなりきれず、中途半端な代物に(汗)

では、不定期更新ではありますが、次の話も読んでみようと思っていただけたら幸いです。





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