Thought beyond time 02
あの後、モリーに手を引かれ歩きながらはただ一つ
のことだけを考えていた。
いや、実際は一つとは言いがたかったのだが。
(もしかしてもしかしなくとも、ここってハリポタ?
リドルに、ドラコにスネイプにルシウス、シリウス、
リーマス、ハリー、ダンブルド
ア・・・・・・・・・・・?マジ?あ〜ドキドキして
きたトキメクよぉぉぉぉぉぉぉぉ)
そんな事を考えていると、いつのまにやら双子が
隣にやって来ていて。
フレッドとジョージは、の隣に来てはなにやら怪し
げな物体を自慢げに見せ。
ビックリして目を見開くに得意げにアレコレ話して
くれる。
心配そうにソワソワとしているモリーは、双子に「今
度騒ぎを起こしたら承知しませんからね。」と、釘を
さす。
が、またそれがフレッドとジョージの悪戯心を煽って
しまう。
ニヤリし笑った双子から、ついつい受け取ったキャン
ディが急に破裂すると、小さな動くひよこのフィギア
が現れ、の手の平はキャンディが溶けてデロデロ
だ。
それをみたモリーは目を吊り上げて双子を叱りつけ、
フレッドとジョージは「退屈そうな姫を楽しませよう
と思っただけですよ。」なんて言って、モリーを余計
におこらせた。
そんなこんなで、にとっては何だか楽しい珍道中
だった。
今は、やっとついた漏れなべの暖炉の前で、フルーパ
ウダーについて説明をうけている。
「さあ、この暖炉の中に入って隠れ穴とはっきり言う
のよ。いい間違えないようにね?」
ニッコリと笑いかけるモリーに、はうなずくいて、
フルーパウダーをギュッと握りしめた。
(いよいよ確実にハリポタだょ。それに子世代みた
い)
は、しばらく目をパチパチとさせていたが、先に双
子がやった様に息を吸って暖炉へ入ると、一気に目的
地を告げた。
「隠れっ・・・くしゅ」
(やってしまいました。いったい私はどこへ行くので
しょう・・・・)
は、グルグルと引っ張られるような感覚に移り変わ
る暖炉の外を眺めながら呆然とつぶやいた。
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しばらくするとは薄汚れたどこかに吐き出さ
れた。
「っう〜??」
(ここ何処だろう?)
はあたりをキョロキョロとみわたし、ここがあのハ
リーも飛ばされたノクターン横丁の怪しげな店でわな
いかと思えてきた。
なんと言っても、映画で見た店主そっくりな人がルシ
ウス・マルフォイと共にこちらを凝視していたから
だ。
(、たったえるのょ!いくらルシウスのデコをつつ
きたい衝動に駆られるからって、ここで突付いたら変
人に思われるわっ!!)
と、しばらく両者とも固まってはいたが、先に動いた
のはだった。
「あのっ!!私煙突飛行に失敗しちゃったみたいで、
突然ごめんなさい。すっすぐ帰ります!」
そう言ってもしもと余計に握っておいたフルーパウダ
ーを暖炉へと投げ込もうとした が、誰かに後
ろからうでをつかまれた。
「貴様、この腕輪何処で手に入れた?」
つかんでいたのは、ルシウスだった。
その顔は希望とも恐れとも言えない。なんとも複雑
で、は思わず固まってしまう。
「何処で手に入れたのだ?」
もう一度問われ、は捕まれた腕へと目を移した。
言われるまで気がつかなかったが、の腕には、赤い
石の輝く石がはまった蔦を模した腕輪が。小指には、
蛇を模した物に赤い石がはめられた物が装備されてい
た。
が、には思い当たる事がなかったため、首を傾げる
しかなかった。
「・・・。いつの間にか着いてたみたいで・・・」
ただ、それしか答えられない。
すると、ルシウスはいっそう強くのてを握って自分
の方へと引き寄せ・・・・・・ヨウとした・・・・・
その時。
の着けた腕輪が光、慧の隣には見知らぬ男が立っていた。
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「ぼくのにそんな事するなんていい度胸だよね?」
その男は蛇のように目を細め妖艶に笑んだ。
ルシウスはその男を見ると、しばし呆然とし、あわて
ての手を離した。
「(ま・・・まさか。)わが君であらせられます
か?」
「それ以外に何に見えるんだい?」
その男はさも可笑しげに笑う。
「まあそういう事だから」
そういって、その男はを抱き上げてその場から姿を
消し、後には、呆然とする店主とルシウスだけが残さ
れた。
そしてはウィーズリー家の暖炉から投げ出され、そ
の男はもういなくなっていた。
「っ!!よかった、無事についていたのね」
と、後ろの暖炉からモリーがあわてて飛び出してく
る。
「ごめんなさいモリーさん。違う人のうちに出てしま
ったんですけど、そこの人に暖炉借りたんです」
は慌てて振り向くとギューっと抱きしめられた。
目を白黒させているうちに、双子と、もう一人赤毛の
男の子がやって来てモリーをとめてくれた。
「母さん、その子こまってるよっ!!」
「あらまあ、でも、本当無事でよかったわ」
(ああ、モリーさん。本のとおりにいい人だなぁ
〜)
それから・・・・・
モリーにつれられ、はリビング?で話をすることに
なった。もちろん子供らには出ていってもらった。
は、自分でもよく分からないけれど・・・信じても
らえないかも知れないけど・・・。と前置きをしてか
ら自分はこの世界の人間では無い。と、一息に言って
しまった。分かる範囲で話すの言葉一つ一つに、モ
リーはめを丸くし、まぁっ!!と声を上げる事もあっ
た。
話し終えると、モリーは目を見開いてしばらくは瞬き
ひとつしなかった。でも、しばらくすると、一気に発
車するかのように動き出しにここにいるように言っ
て出て行った。と思ったら、物の数分でダンブルドア
を連れて帰ってきた。・・・どうやったんだろう。今
度はが目をまん丸にしてしまった。
始めダンブルドアは、を見てキラキラとしたビーズ
のような瞳を驚きに染めたが、すぐに、を安心させ
るように微笑んだ。
「話は、モリーから聞いた。大丈夫じゃ、何も心配す
ることは無い」