Thought beyond time 04








目が覚めるとはベットの上で寝ていた。






あの時、遠くなる意識の中で見た人物は・・・・。


そこまで考えて、ハッとして跳び起きた。

どこかへ行ってしまっていたら困る!聞きたい事が一杯
あるのだ。



慌ててベットから降りようと足を出すと、ベットの影
から声が聞こえてきた。



「まだ起きるな、ここに居る・・・」



約束を守って居てくれたのだ。


はほっとしてベットの上へとへたり込んだ。


「良かった・・・。聞きたい事が有るの。いい?」


男は静かに答えた。


「ああ。答えられる事ならば」



は身を乗り出し、男の方に詰め寄った。

「まず、あのルシウスと会った店に現れたのは、あな
たなの?」


「ああ」

表情も変えずに答えると、男はベット脇のイスへと腰
を掛け、の方へと向き直った。


これならどこに行く気も無いだろう。
も乗り出した体を元に戻すと、一呼吸置いて
口を開いた。



「じゃあ、名前は?」


「・・・。私の名は、サラザール・スリザリンだ」


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」




「ぇぇえええええええ!!!!!!」


暫く固まってしまっただが、我に返った途端
叫び声を上げた。
それを見たサラザールは大きな溜め息をついた。


「質問はここまでの様だ」


「えっ?」


は訳が分からず、キョトンとサラザールを見
つめた。が、理由はすぐに分かった。



足音が聞こえてきたのだ。



ドアに向けた視線を、慌ててイスへと向けた時には、
すでにサラザールはイスの上から姿を消していた。



それを確かめた時には、ドアをノックする音が部屋に
響いた。

返事をする前に開かれたドアから、ルシウスが部屋へ
と滑り込んで来る。


?どうかしたのかね?」



叫び声を聞いて駆けつけて来た様だ。



「大丈夫です・・・」

は自分の叫び声のせいでせっかくサラザール
と話が出来るチャンスを潰してしまったのだ。


心なしか顔も青くなり、ショックを受けている事がル
シウスにも分かるぐらいだ。



「本当に大丈夫なのかね?」



「えぇ・・・・・・ちょっと、あの・・・嫌いな
虫を見掛けてしまって」



ルシウスは呆れた顔を隠そうとはしなかったが、あま
り今のうそを信じては居ない様だった。


「そうか、家の妻もそう言う事がある。女性とはそう
言うものなのかね。」


「多分・・・。人それぞれだとは思いますが」



は内心ほっと息をつくと、ベットから降りて
ルシウスの前に立った。

「しかし、なぜベットに?」


「虫から慌てて逃げたので、偶々です」


「そうか、体調が悪いので無ければ今から息子に合わ
せたいのだが、いいかね?」



聞いてはいるが、断るなんて思ってない。

絶対。はニッコリ笑う。


「もちろん!楽しみです」


仲良くなったら絶対おでこをツンツンするんだ!野望
を胸に、は大きくうなずいた。







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