Thought beyond time 05
はいい加減うんざりして来た。
さっきから、ドラコの口から吐いて出て来るのは自慢
ばかりなのだ。
対等に見られていないのか、こう自慢話に高圧的な話
方では嫌になる。
「だから、僕は言った。マグルの・・・」
この話は既に2回目だ。
相槌をうちながら、窓の外の空を眺めた。
飛んでいる梟は可愛らしい。
でも、の様子に気づき顔を赤くして怒るドラ
コには負ける・・・・・。
!!!?
そこではっとした。
隣のドラコはの方を向いて怒鳴っている。
全然気がつかなかった。
「聞いているのか!?」
「聞いてる、聞いてるよドラコ君」
可愛らしさに思わず微笑み、余計にドラコの怒りがヒ
ートUPした。
「馬鹿にしてるのか!!!」
ソファーから立ち上がって、へと詰め寄って
くる。
危ない。
むしろドラコが危ない。
は目前に迫ったオデコをつんつんしたくて
ぐっと拳を握り締めた。
「あー。聞いてたよ!マグルの飛行機にぶつかりそう
になって華麗に避けた話でしょ?」
「違う!!!!それは前の話だ。せっかく英雄につい
て話てやっていたのに」
ぼすっと音をたてソファーへと座りなおすと、優雅な
姿で足を組み直す。
取り合えず、前の話を聞いていた事に満足した様だ。
が聞いていたのは1回目の時だが・・・。
「ごめんね、ドラコ君。話聞きたいな」
英雄と言えばハリーの事だろう。
ドラコはこの時点でハリーの事をどう思っていたのか、
ぜひ聞いてみたかった。
「・・・まあ、いいだろう」
ふん!と鼻を上げ、ニヤリと笑う。
「例のあの人を倒したポッターは、今年入学するらし
い。まぁ、僕が友達になってあげようって思ってる」
「そっか」
友達になりたい。
何だか切ない。2人は天敵になるのだ・・・・。
まあ、いいコンビといえばいいコンビかも知れないけ
れど。
「まぁ、君も僕の友達にしてやっても良いけどな!」
「・・・・!」
可愛い。
可愛い!!!!
照れて顔が少し赤くなっている。
「だから、そう悲しそうに・・・っ!?」
思わずはドラコにギュッと抱きついていた。
何て事だ!オデコつんつんより悪いではないか。
しかし、もうやってしまった物はしょうがない。
「なっ・・・・」
真っ赤なドラコには満面の笑みを向け、もう
一度抱きついた。
「ありがとう!ドラコ」
「・・・・。ふん!」
そっぽを向かれてしまったが、もうは気に
ならなかった。
この夏休み楽しくなりそうだ。
