Thought beyond time 06.








「ふわぁぁぁぁ・・・・・」








次の日目が覚めると、サラザールはやっぱり居なくな
っていた。



「・・・・」



寝ぼけながらも朝の支度を済ませると、指輪へと目を
向ける。
今日は朝から話をするつもりでいるのだ。







「何か様か?」







「わぁ!!!」


あんまり突然現れた後ろから声に、はビック
リして振り向いた。



気配がまったく無く後ろに立たれるのは、誰だかはわ
かってもかなりビックリする。





「すまない、驚かせたか?」


「少し、でも今呼ぼうと思ってた所だったから」



ほっとしたのか、サラザールは1つ息を吐いた。



「それで何の用だ?」


「特に此れって言うのが有る訳じゃなくて、名前をね
サラザールだからサラって読んでも良いか聞こうと思
って。」



「・・・・サラか。久々にその名で呼ばれるな」

そう言うサラザールの目は遠い昔を思い出している。
大事な物を思うそんな目だった。

大事な思い出でもあるのなら、自分が呼んではいけ
ないのかも知れない。





「駄目?」



「いや、構わない」




「じゃあサラ、これから宜しくね」



「ああ、こちらこそ」
始めてみるサラザールの満面の笑顔だった。
何だかまで嬉しくなってくる。





2人で笑い合っていると、コツコツと言う足音の後に
ドアをノックする音が聞こえてきた。



「また後で」



音も無くサラザールが消えると、ドアの外からダンブル
ドアの声が聞こえた。



ご飯じゃ」



「は〜い!!」


は何だか可笑しくなってクスクスと笑うと、
ドアの方へと駆け出した。







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