とうとうやって来た。
今日から晴れてもホグワーツの一員だ。
Thought beyond time 09
ダンブルドアは先に学校へと向かい、は少し
早めにダンブルドア宅を出て、キングスクロス駅へと
向かう事にした。
「ねぇサラ、まだ人居ないね……」
どうやら早く来過ぎた様だ。
ホグワーツ特急だけが、その存在を視聴して其処に存在
していた。
「まぁ、席が思う存分選べて良いのではないか?」
いつの間にか姿を現していたらしいサラザールは、先に
スタスタと歩みを進めていく。
その後ろからの持っていたカバンが、フヨフ
ヨと着いて進みだす。
「まあ、確かにそうかも……折角だからハリーの席の
近くが良いなぁ」
その後ろを駆け足で進みながら、サラザールの元へと
進んでいく。
「カバンありがとう」
「どうという事は無いからな……」
無表情で呟くサラザールにニッカリと笑いかけると、ス
キップで進んで行く。
列車の中に入ると、の胸はワクワクしてもの
凄いスピードで打ち始めた。
この列車でホグワーツに向かうと思うだけで、ワクワク
が止まらない。
「ウフフフフ、ホグワーツに行ったら一緒に探検しようねっ!!」
ニヤニヤと笑って見せれば、サラザールに軽く頭を小突
かれる。
「はしゃぎ過ぎて怪我をしないように気を付けろ」
「はーい!」
元気に返事をすると、次の瞬間には忠告を忘れたかの様
に、跳ねるように列車内を駆け出した。
+++++
後ろの方のコンパートメントに席を決めると、人が来る
までサラザールと色んな話をしながら発車を待った。
暫くすると徐々に人が増え始め、サラザールが指輪に戻
るのを見送り、段々と窓から見える景色が映画で見たあ
の景色ソックリに変わっていくのを眺めた。
動物達の鳴き声に人のざわめき、全てが素晴らしい事に
感じて、1人怪しい笑みを溢す。
(、1人で笑っていると明らかに変だぞ)
サラザールが突っ込む程変だったみたいだ。
「むっ、そんなに変だったかな……気を付けなきゃ」
慌てて顔を引き締め、念のために窓の外を見るのを止め
て本を見る事にした。
「それにしても、此処のコンパートメント人来ないね」
随分と人が増え、もう隣からは騒がしい声が聞こえてい
る。
なのにも関わらず、此処のコンパートメントには人っ子
1人現れないのだ。
もしや……
の笑みがそんなに怪しかったのだろうか?
ガックリと肩を落とす。
「落ち込んでいる所悪いが、邪魔避けをしておいた」
「……」
「……」
「ぇえっ!?」
それなら来ないのは当たり前だ。
は何だか気が抜けて、ガックリと座席に座り
込んだ。