Across space-time and 02.








あの後、色々な部屋を案内して貰って、取りあえず何
処に何があるのかは分かった。


問題は、汚さ。それに、どうやってリドルを引き取る
かだ。

だいたい、あの男に言った全てが叶った訳ではなく。
魔法の知識も元のまま。
つまり、ハリポタの本に出てきた物ぐらいしか分から
ないのだ。


「取りあえず、明日は書斎で呪文の本を調べてましょ
うリオ」


「はい!」





そんな会話をして一晩明けてみると・・・・・・・・。

は何だか体に違和感を感じた。

昨日見つけた寝室のベットの上から降りようとしたとた
ん、ベットの下に転げ落ちて気がついたのだが。



ナント!




視界が低い。
物凄く低い。




「なぁ!!!!!」


目の前の鏡に移る姿。



これじゃあまるで幼稚園児だ!


「あの願い遅効性なのっ!?」





これじゃあ、一時的にでも年齢を上げる呪文を早く覚え
てしまわないと大変だ!

今日の目的は此れ一本に絞るしかない。





「こうしてる間にも探さなくちゃ!」



は短くなった足を素早く動かして、書庫へと
駆け出した。










何とか呪文が見つかったのはもう日も沈む頃だった。

ご飯の用意も全部リオがやってくれて、至れり尽くせ
りでいたから本探しに熱中することが出来た。


お礼を言ったら、物凄いスピードで何処か遠くへ走っ
て行ってしまって、未だに帰って来ないけど。




「まず練習ね」





昨日見つけた杖は既にためし済み。
問題なく使う事が出来た。





「・・・・・」




「・・・・・・・・・・」



杖を本の通りに振って呪文を唱える。












ブフォア!!!!




もの凄い煙と風が部屋をグルグルと渦になって、部屋
の本がバサバサと音をたてる。





「・・・・・・・・・っ」






風がだんだんと治まり、回りが見える様になって来た。





「・・・。・・・やったっ!!!」


成功だ!



目の前の壁に掛かった鏡には、元の年齢の姿の自分が
立っている。



一人ニマニマ笑っていると。


「お嬢様!リドル様のいらっしゃる孤児院がわかりまし
たでござります!」




声が先に。
その後から、何処かへ走っていったリオが、ポンっと言
う音と共に現れた。


昨日お願いしてみたリドルの居場所探し、もう見つかっ
たのだ!





「ありがと〜〜〜〜!」




リオの手を持ってクルクル回り、もう興奮で鼻血が出
そうだ。











足元を気にしないで本の上に乗ってしまい、コケても
まだ元気に大ハシャギの



「やった!此れでリドルに会いに行ける!」



「ありがとう!」

大ハシャギだ。



これこそ、子供並みの暴れっぷりで精神年齢がかなり
低くなっている。


そのせいで、無口に耳をピロピロさせるリオりの様子
には、全然気が付く事が出来なかった。


此れが自分とリドルに関わってる事を知るのは、何年
も先の事だ。







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