Across space-time and 06








「さっ此処が私達の家」



はリドルの背を押すと微笑んだ。

「さっ、部屋に案内するね」


「・・・」



無言のリドルには構わず、手を引くと家の中へと入っていく。
リドルき周りを興味深げに見渡していて、その仕草もまた可愛
いらしい。


階段を上り、リドルの部屋に行く途中の自分の部屋を紹介し
て、途中のお風呂場やら下の階の食堂に台所の説明をしつつ
進んでいく。




「ほら、此処がリドルの部屋」


リドルの部屋の前に着いて立ち止まったはドアノブを掴む
とリドルに見えやすい様にドアを開け放った。




「まだ味気ない部屋だけど・・・明日いでも買い物に行って買い
揃えようね」



「・・・うん」



「それじゃあ荷物置いたら私の部屋に来てね、紹介する人がいるから」



「わかった」


リドルの返事を聞くと、はまた後で、手を振ってドアを閉めて自室
へと向かった。






+++





「合わせたい人?」


リドルはの去ったドアを見つめ呟いた。


「合わせたい人って旦那か?」


他に家族でもいるのだろうか、こんな屋敷に一人で住んでるなんて思えない。
リドルは何だかつまらない気分になって不貞腐れたようにベットの上へと身を
投げ出した。
ベットが反発して揺れるのに身を任せると溜め息をついた。


「まぁ、あの場所よりは全然悪くない」



そのまま横になって暫くぼーっとしていたけれど、の所に行く前にバックの中身
を整理して置かないといけない。
まあ、整理すると言っても、ちょっとした着替えと勉強道具に本しかなかったけど。


予想どうり、バックの中の物は10分もあれば片付いた。

最後にバックを部屋の隅に追いやれば完了だ。

バックの中身を素早く片付けたリドルはくるりと部屋の中を見渡し、の部屋へと
向かうためにドアの外へと向かっていった。




+++





一方は・・・。




部屋に戻るとベットの上に座って仰向けになると、ジタバタと足をバタつかせうふふふふ
なんて笑いを零してベットの上を転がった。


「明日いっしょにダイアゴン横丁に言って・・・ご飯一緒に食べて・・・」


想像するだけでの笑いは止まらないらしい。




「それにそれに何が出来るかな〜」



そんな想像をしているうちにはうとうとし始め、気が付かないうちにに眠ってしま
っていた。








コンコン




コンコン



ノックの音が聞こえてくる。




コンコン



「はい!開いてます」



そう叫んで飛び起き、ベットから降りると丁度ドアが開き、其処からリドルが顔を覗かせた。



「リドル!入って入って」



「・・・・・・」



「如何したノリドル?」


無言で見つめてくるリドルに一歩近づくと、リドルが口を開いた。



「誰?」




「・・・はぁ?」


思わず間抜けな声を発し、は慌てて口を押さえた。



「何言ってるの?だよ、さっきまで一緒だったじゃない」




「そっちこそ何いってるんだ?どう見たって違うじゃないか」


リドルは不信そうに顔を歪めた。



「えっと・・・何それ・・・・・・」



何を言ってるのだろうか、はじーっとリドルを見て、視界の違和感に
目を見開いた。



「あああぁぁ!」



やばい、元に戻ってる。




「あ・・・その・・・どういえば良いのか」


はポケットから杖を取り出し、素早く呪文を唱える。

一瞬煙が出て、それが晴れた頃にはの視界も随分高く
なっていた。



「言うより分かりやすいかな?」


そういって前を見れば、目をくりくりにしたリドルがを見上げて固まっていた。







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