Across space-time and 07








「ねぇ・・・・・・コレ何?」





リドルの指指した先にが見た物は・・・。




ビシャビシャになった絨毯の中心に転がっているリオ
の姿だった。



「リオっ!!!」


慌てて駆け寄り抱き起こし、膝の上に抱え上げる。

どうやら気絶している様だ。
は小さく息をついた。


「この子はね、屋敷しもべ妖精って言うの」


リドルは疑わしげにリオを見つめた。

妖精と言えば小さくてキラキラした羽の生えた可愛い子
を想像したのだろう。

顔には出ていないが目が物語っている。

は小さく苦笑してリオを見た。

確かに屋敷しもべ妖精はキラキラの可愛さは持っていな
いけれど。 には十分に可愛く思えていた。
喋り方や動き方、それにリオは屋敷しもべ妖精の中でも
可愛い子だった。
が見たのは映画の中のドビーだけだけど。
それにドビーだってなかなかに愛嬌があったと思っている。

今は見たことの無いリオに戸惑っていても、きっと仲良
くなっていくだろう、もちろん自分自身もリドルと仲良
くなっていこう。

そう改めて決心し、リオの顔から目を放して後のリドルに目をやれば・・・。


リドルはとリオを交互に眺め呟いた。




「これって何だろ・・・」



「なんだろ・・・・・・」

も首を傾げた。

リドルの視線の先には、リオを中心に大きな大きな染み
が広がっていた。

その染みはまるで海の様に広がっていて、その中心にリ
オが居たのだ。

2人で首を傾げる。


染みを眺めていると、の腕の中でリオが身動
いだ。


2人でリオを見下ろしていると、ゆっくりとその瞼が開
いた。
まだ目が冷め切っていないようで、2人を定まらない視
線で見つめると、ふよふよと辺りを見渡した。

リオが何かを呟く。

「・・・・・・」



「・・・・・・?」



何かを呟いているようだが上手く聞き取れない。
は耳を澄ましてリオの次ぎの声を待った。



「こ・・・大・・・夫で・・・・・・約・・・で・・・・・・ご・・・様」


「リ・・・・・・は・・・嬉・・・い・・・・・・ごじゃ・・・り・・・す」


それでも上手く聞き取れなかった。

今度はリドルも気になったようで、2人してリオに耳を
近づけた。



「良か・・・った・・・ご・・・様・・・・・・リオは・・・や・・・まし・・・
た・・・ご・・・ります」



其処まで良い終えると、リオの耳がぴくぴくと動いた。
そろそろ完全に目が覚めるのだろうか?

はじーっとリオを見つめる。
リドルも後から覗いている。



耳がパタパタと大きく動きだし、目が大きく開き、ぱち
ぱちと何度か瞬きを繰り返す。


すると、突然リオは飛び上がった。


耳は激しく動き、目はクルリと2人を見渡し、手の指を
高速でくるくると動かしている。



「・・・リオ?」


「ピャア!!!」


「!!!」


「リオっ!!?」

リオは恥ずかしそうに目を隠し、何処からでたのか分か
らない声を発すると。



そのままの腕からするりと抜け出し、大き
な声で何かを叫びながら、廊下の向こうへと走り去って
しまった。

とリドルは、リオの走り去った方を見て首を
かしげ2人目を見合わせる。





「あ---リオはお茶目さんだから」


「・・・・・・確かにお茶目かもね・・・・・・」


リドルはを見て訳が分からないと言った表情
でひとつ頷いた。







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