Across space-time and 08








夜、お休みを言うためにリドルの部屋へと向かう。
今日の目標はハグしてお休み。
今月の目標はホッペにキスしてお休み。
なんて野望を胸に、スキップしそうな勢いで廊下を歩い
ていく。





コンコン







「はい」



返事を待ってそっとドアを開けた。



「リドル、ちょっとこっち来て?」


そう言ってドアの隙間から手招きすると、不思議そうに
に向かい歩いてきた。



?」


手の届くところまでやってくると、キュッとリドルに
抱きついいて直ぐに離れる。


「おやすみを言いに来たの。また明日、お休みリドル」




「……おやすみ」

取り合えず答えるリドル。

放心状態になっているリドルにもう一度抱きつき、意識
がはっきりとする前に手を振ってドアを閉める。




「……っ!!!」



閉めて少し廊下を進んだところで、リドルの部屋から
慌てて居る様な気配と、バサリと布団が跳ねる音が聞こ
えてきた。




「・・・大丈夫かな?」



明日朝から不機嫌だったら物凄く悲しい。
自業自得といえばそのとうりなのだけれど。






そんな考えも浮かんできたけれど、は今のリ
ドルの可愛さと、明日の買い物の予定を考えると、あっ
と言う間に消え去ってく。




「よしっ! 明日はダイアゴン横丁だし早く寝ちゃおう!!」



そう小声で呟くと、浮かれた気分で部屋へと帰っていっ
た。




+++





一夜明け。

カーテンの隙間の日差しで、清々しい気分で目が覚めた。



大きく手を伸ばして伸びをすると、大きな口を開けて
欠伸を零す。



コンコン



丁度見計らったようにノックをする音がの耳
へと届いた。


「リオでごじゃります!」


どうやらリオの様だ。
楽しそうな声が聞こえてきた。


「リオ、何かあったの?」


「今日はお出かけなので、朝ご飯を用意しておいてござ
ります!!」


目の前にいたら確実に耳がパタパタしていそうな声で
弾むように返事が帰って来た。


それを聞いて、も嬉しそうにベットから飛び
起きた。


「ありがとうリオ!リドルは私が呼ぶから先に食堂の
用意をお願いね」


そう言いながらも、クローゼットの中の洋服を引っ張り
出して、素早く着替えていく。


「はいっ!」

リオは元気の良い返事を残して、食堂へと向かったよう
だ。

は自然と鼻歌まで歌ってしまう。



取り敢えずの着替えをすませ、髪の毛をブラシで梳き、
ニッコリと鏡に微笑みリドルの部屋へと向かっていった。







                     txt_44_back.gif  txt_44_top.gif  txt_44_next.gif